“喜怒哀楽” 感情を強く
動かす作品を届けたい

文庫編集部 園原行貴 Yukitaka Sonohara

2008年入社
4年間広告部を経て、現在の文庫編集部。

カバーも解説も、
すべて文庫編集者の仕事

 光文社文庫は小説やエッセイなどを扱う部署です。言葉どおり、すでに単行本で出ているものから再度作品を刊行するところからはじまり、一から書き下ろす場合もあったり、あるいは休刊、絶版、品切れになっている作品を再度発掘して刊行したりと、多岐にわたって著作物を文庫というかたちで刊行しています。
 単行本から文庫にする場合は、カバーをどうするか、解説は誰にお願いするか…と、いかに売っていくかを考えます。どうやってこの本の魅力を伝えるかという宣伝、販売促進はどう進めるか、WEBツールをどう活用していくか、そういう部分まで含めて考えるのが仕事の流れです。
 書き下ろしになると、テーマをどうするか、なにを書くか、そういうベースの部分から決めていくので、刊行するものによって1冊ができあがる時間は随分変わってきます。テーマが決まると、まずプロットを拝見して、これならいけるだろうというところで原稿に取り掛かっていただきます。原稿があがってきたら、もっとよくなるにはと話し合いを重ねて、ひとつの作品を作り上げます。その間には、資料探しや作家さんの取材に同行することもあります。登山やライブなど、自分の日常生活のなかでは手が伸びない、手を出さないことを仕事とはいえ、体験できるのは楽しい経験です。

初めて原稿をいただいたときは、
手が震えました

 入社後はまず広告部、5年めで文庫編集部に配属されました。初めて原稿をもらったときはやっぱり嬉しかったですね。この世に初めて生み出された作品を最初に読ませていただけるというのは編集者として味わえる素晴らしい経験だと思います。じつは赤川次郎先生だったんですけど、手書きで原稿を書かれる方なので直筆の原稿をいただいたときは、「私なんかが受け取っていいんでしょうか」と手が震えました。

作家と自分の「面白い」を、
小説というかたちで世に発表できる

 エンターテインメントや芸術というものは音楽、映画、演劇などいろいろな形式があって、小説もそのなかのひとつです。小説のすごいところは、それが言葉だけで表現されていること。それを生み出す作家さんに大小あれど関わらせていただけて、作家さんと自分が面白いと思っていることを小説という形で発表できることは書籍編集者の醍醐味です。

生み出された本や作家の魅力を
いちばん知っているのが編集者

 喜怒哀楽問わず感情が強く動かされるものって面白いですよね。自分の中で動きがある、つまり変化する瞬間はとても面白い。それぞれの作品にはそれぞれの面白さがあって、それを損なわないようにさらによくするにはどうしたらいいのか。単純にこれはダメと言うのは簡単ですけど、信頼感を損なわずにそれを作家さんに伝えるにはどういう言葉を使えばいいのか。考えを巡らすことは多いですが、その本や作家さんの魅力や価値をいちばん近くで知っているのが僕たち編集者ですから。作家さんと自分が面白いと思って作った作品ひとつひとつに熱い想いと信念を持って向き合って、その存在を喧伝していくことに力を入れています。