― 入社前の週刊誌の印象は?

  • 噂話やスキャンダル好き、性格悪い人の集まりっていうイメージがありました。でも実際は、プライベートでは芸能人に興味ない人が多くて、仕事でスキャンダルを狙っても、そこに感情的になっていないというか、フラットな人が多いですね。私も入った頃、芸能人の名前を覚えるのに必死でした。
  • 確かに僕も同じ印象あったけど、みんなニュートラルだと思います。仕事としてやってる印象が強いですね。
  • 私は会いたい人のプラン出し続けてますよ。でも意外と私みたいな人は少数派ですね。 私の週刊誌の印象は、もっと怒号も灰皿までも飛んでるイメージでした。たばこもデスクでスパスパ。ドラマとかそういう感じじゃないですか。実際はそうでなくて安心しました。あとはカップラーメンは入稿のお供だなということを知りました(笑)。

― 週刊誌は忙しく徹夜も多いとのイメージがあるようですが、実際はどうですか?

  • 週刊誌は1週間のスケジュールが決まってるので、予定を調整しやすいんですよ。
  • 入稿の金曜はさすがに遅くまで仕事してるけど、自分のペースをつかめたら1週間のなかで自分の配分でできるし、年に4、5回は合併号休みでまとまった休みもとれる。慣れてしまえば週刊誌のスケジュールは自分に向いてますね。
  • 月、火、水は普通にご飯に行けますよ。入稿の金曜は夜に弁当も支給されるし、夜食にピザをみんなで食べたりして、僕は異動してから5キロ太りました。男性陣は割と太る人が多い。
  • 巨体四天王と呼ばれる先輩方がいた頃の芸能ニュース班て、すごく暑かったんですよ。冬で編集部寒いのに、私たちの班の席だけすごく暑いんです。ずっと文句言ってたら、先輩が「燃えるニュース班や!俺は燃焼してるんやからな」と。脂肪燃焼はできてないようですね(笑)。
  • ある程度の粘り強さは必要だと思います。僕たちがやらないとページに穴をあけてしまうので。
  • 自分が定時で働けるかよりも、このページが納得できるかできないか、というほうが優先度が高い仕事です。毎日定時で、あまり働かずにお金が欲しいと思う人には向いてないかもしれません。
  • 忙しいときはきっちり集中して、抜くときは抜く。忙しくない曜日に「これから婚活あるので帰ります!」って帰っても、「はいはい頑張ってね」と上司も応援してくれます(笑)。

― 忙しい日を乗り越えられるパワーの源は?

  • 編集部全体で一つのものを作り上げるという雰囲気がいいですね。僕は楽しいことがあれば大丈夫。入稿後、先輩と築地に朝ごはん食べに行ったり、そのまま寝ずにフジロックに行ったこともあります。
  • 入稿日は「合宿みたい」といつも思ってます。チームワークで作り上げるので。
    あとは、先輩に連れて行ってもらった新宿2丁目のゲイバーが一番のストレス発散です。
  • 自分が苦労して作ったものが、かたちになって、全国の書店やコンビニに並ぶのは嬉しいですね。社会人1年目でなかなかそこまで携われる仕事ってないと思うから。このスパンでたくさん作れるのは大きなことです。
  • 週刊誌はどんなことでもやらせてもらえる。自分がやりたいって手をあげたら、どんなプランでもやらせてもらえるのが面白いところです。編集者としての幅が利きますよ。
  • 木曜金曜は入稿で弁当が出るし。仕事関係の方と食事に行くと、若いのでご馳走になることも多く、食費があまりかからないのも魅力です(笑)。

― 週刊誌ならではのエピソードを一つ教えてください。

  • 入社当初はJJ、CLASSY.志望で週刊誌は全然志望してなかったんです。女性自身配属となった時、「どんな恐ろしいことが待ってるんだろう」と正直思いました。週刊誌は各班に分かれているのですが、最初に「危ないか危なくないかで言うと、危なくないほうの班」て言われたんです。今思えば、危ない班は芸能ニュース班だったんでしょうね(笑)。
    班の構成を具体的に知り、女性自身がこんなに幅広い雑誌なんだと驚きました。1冊の中に不倫問題あり、スターパティシエ13人のクリスマススイーツがあり、皇室の記事もある。仕事していてどんどん面白くなってます。
    いま心配なのは、身体が週刊誌仕様になってること。せっかく出版社に入ったからいろんな部署で経験したいと思ってるのに。入稿中のカップラーメンがファッション誌でも許されるか心配です。
  • 昨年末は紅白の取材に行って、その後、寒いなか外で張り込みを2日やりました。単眼鏡を持って、耳当て代わりのヘッドフォンをして、無線で記者に状況を説明しながら3時間張り込みで立ち続けました。基本は車での張り込みが多いんですけど。寒くて辛かったですね。ホッカイロのありがたみを実感しました。
    あと「あの前のタクシー追ってください」っていうのは本当にありますよ。
  • 「出版社に入っても、君は週刊誌向いてないよ」と、就活中に他社の最終面接で言われました。当時は文芸志望で、正直、週刊誌に興味が全くなかったので反論もできず、残念な結果に。でも、私はすごく負けず嫌いなんです。運良く、ある週刊誌編集部でバイトさせてもらえるチャンスがあり、実際に取材も経験させてもらえて、刺激的な毎日でした。
    そして今があるのですが、週刊誌にいると綺麗事だけじゃないし、汚い部分もいっぱい見ます。でも、だからこそ人って奥深いし、魅力的になれるのかなと思いますね。あの言葉がなかったら、そういうことを「この仕事でしか味わえない」とポジティブに捉えることもできなかったし、逆に面白がって自分の経験として活かすこともできなかったので、私の原点です。

― 就活生に向けてメッセージ

  • 面白がるって大事だなと仕事をしていてつくづく思います。希望通りの仕事に就けなくても、そこで面白がれれば、自分も楽しいし、成果物もきっと楽しいものになるし、周りとも雰囲気良く仕事ができる。本当に自分がやりたいっていう打席に立てた時に、それまでの経験が生かせるかが重要ですから。
  • 「JJの編集者になりたい」とか具体的な目標が決まってるのはいいことですが、正直入ってみないとわからないことはいっぱいあります。それは出版社のみならず、どの仕事でも言えることだと思うのですが、入る前から自分の可能性を狭めてほしくないなと思います。
    就活当初は「文芸の編集者になりたい」と思っていたけど、週刊誌の編集になって今すごく楽しい。何が自分に向いてるかわからないので、最初から凝り固まらないほうがいいんじゃないかなと思います。
  • 編集者ってかっこいいとか憧れを持つ人もいるかもしれない。でも、自分が何で出版社に入りたいのか、出版社で何をしたいのかを突き詰めないと、入った後がしんどいと思います。
    紙だけやりたいとか、週刊誌だけやりたいとか、何かだけやりたい人は、これから辛くなるかもしれません。時代の流れに合わせて、いろいろなことに興味を持って、「雑誌をつくる」「本をつくる」ということを大切に、その一歩先を一緒に考えていきましょう。