好奇心をエンジンにして
仕事をしています

新書編集部 髙橋恒星 Kosei Takahashi

2016年入社
書籍販売部→2018年より現職

「この本は売れる!」が、わかるということ

 入社してから2年間、本のマーケティングを担う書籍販売部勤務でした。そのときの経験が今の仕事に生きていると思います。“この本なら売れる”と思ったら、予測が70~80%の確率で当たるようになりました。本を売るために、物事の表層だけではなく、深くその現象に踏み込んで考えてみる癖がついたからです。たとえば、同じ料理本でも簡単レシピのようなものが売れているのか、本格的で複雑なレシピのものが売れているのか、と売れ行きデータを参照してみたとき。料理本以外でも、世の中のいろいろな現象で類似するパターンがないかと考える。背後にある物語や、演出のされ方について紐解いてみる。すると、同じ企画でもこうすれば売れる、という方向が見えてくるんです。

企画立案から売るところまで

 担当した『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』は、現在6万部まで売り伸ばしています。著者に初めて会いにいく時点で、本が完成した後の売り方までイメージできていたので、パブリシティやSNSでの告知、書店店頭での効果的な販売ができました。自分の武器は、企画立案から売るところまで考えるのが好きなところだと思います。実は、これは編集者の必須条件だと思っていて、出して終わりではダメ。どこまで手をかけるかが勝負だと思っています。市場と自分の感覚がリンクしているという感触は常に持っていたいですね。自分がこれはイイ! と思ったものが売れると、やっぱりうれしくて、次の企画にもつながっていきます。

「知りたい」が仕事の原動力です

 光文社は、基本的にはなんでもやらせてくれるので、主体性を持った人にはやりがいのある会社。人と人との距離が近くて機動的なところがいい。自分たちが言い出しっぺになって、どんどん進めていける。やり方は無限だし、ゼロからイチを作り出す部分に深く関われる。今まで作ってきた本は、すべて自分が「知りたい」という思いから企画を考えています。著者や自分の知的好奇心を燃料に、知見を世の中と共有していきたい。その意味では「知りたい」ということがそのまま仕事になっています。たとえば、野球の素人なのに、プロ選手が認めるほど技術や采配の指摘が鋭い著者。自分で曲を作って自分で弾いて脳波も測定するピアニストなど。さまざまなジャンルの専門家に会うたびに、こんなことに命を懸けている人がいる! 世界はこうやって回っているのか! と驚きながら仕事をしています。

社会人になれば、いきなり会社や社外の人たちと対等の土俵に上がる

 書籍づくりはテレビや映画とは対照的に、少人数で全部できるところが魅力。やり方は無限で機動的に動ける。制約が少なく、スピード感をもって仕事ができる。そんななか、一緒に仕事をしたいのは、口だけじゃなくて手も足も動かせる人。出版社で仕事をするなら、本はもちろん、それ以外の、たとえば美術でも建築でも、お金を払って時間をかけ、自らの実感をもって知識をインプットすることが大切。インプットの量、その絶対量が多いほうがいいものを作れる可能性が高いと思うんです。社会人になれば、いきなり社内や社外の人たちと対等の土俵に上がることになるので、勉強している、研鑽を積んでいるほうが企画の可能性が広がる、と思います。