INTERVIEW
書籍/コミック編集室
河合健太郎
(2019年入社)
作家さんを探すことから始まり、設定やネームを詰める打ち合わせ、セリフ入れ、配信の準備など、作品が世に出るまでの間にさまざまな仕事をしています。作家さんの好きなことや興味のあることを聞くのは本当に面白くて。そんな作家さんの好きや関心を軸にした作品作りができるよう、伴走することを心がけています。もちろん読者のことも忘れずに、です。どうやったら作家さんの「面白い」を伝えられるか。いつも考えるようにしています。
大学院では花の遺伝子組み換えに関する研究をしていたのですが、その面白さがなかなか人に伝わらなくて(振り返れば自分の伝え方が悪かったのですが)。ぼんやり「もっと科学の面白さが多くの人に伝わればいいのに」と思っていました。そんなときに『バッタを倒しにアフリカへ』を書店で見つけて——。(たしか)10万部を突破していることも知り、新書なら科学の面白さをたくさん人に伝えられるかもと思って、光文社を受けました。
初めて担当になった林史也さんの『煙たい話』では印象に残っている仕事が多いです。作家さんとの打ち合わせや漫画の入稿など、本当に初めて尽くしで。15秒のPVを作らせてもらったこともあるんですが、これにも苦戦しました。初めての動画作り、そもそも15秒に収まるテキスト量やカット数がわからず。ほかのコミックPVを何度も見返しました。でも、最終的に作品の世界観が色濃く滲むPVができてよかった。実はいまも見返しています。
さまざまな人に会って話をしている人たちを見ると、いつも「すごいなぁ」と思っています。自分とは異なる興味や価値観を持っている人と話すのは、企画を考えるうえでとても刺激になります。だから、人に会ったりイベントや講演に積極的に参加したりしている人たちの企画はいつも新鮮かつ面白くて。それに比べると、自分はまだまだ内に籠っていることが多いので、「見習わなければ」といつも反省しています。
先の大きな話をするのは苦手なのですが、いつかコミック作品のアニメ化や実写化に関わってみたいですね。担当作品のキャラクターが動くのを想像したりするのですが、実際にそれを目にすることができたら……。ただ映像化は、関わる人はもちろん動くお金の桁も増えるので、一筋縄ではいきません。いつかチャンスが巡ってくるように、いまは担当している作品の部数が少しでも伸びるよう、宣伝や作品づくりに力を入れています。