INTERVIEW
週刊誌/女性自身編集部
八木橋繁
(2008年入社・副編集長)
編集部に配属されて間もないころは、締切りに追われてひたすらバタバタ。乗り切ることに必死で、やりがいを感じる余裕もそこまでなかったかもしれません。芸能、社会問題、生活実用、ドキュメントと、さまざまな分野の誌面に携わることで、少しずつではありますが、視野が広がってきました。数年前に扱ったことのあるテーマに再び取り組む際に、経験が生きてくるのを実感できるのはおもしろいです。
若いうちから責任のある仕事をまかせてもらえます。週刊誌に関していえば、1年めの編集部員が表紙を飾る写真やニュースのトップ記事に携わる機会もおおいにあります。体系立てられたノウハウを学ぶというよりは、まずやってみようという空気があると感じます。プレッシャーもともないますが、上司や諸先輩方の愛ある激励・サポートを受けながら、学んでいきます。
東日本大震災が発生した当時、女性自身のグラビア班に所属していました。当日は校了日(入稿を済ませ、ゲラの最終チェックをする段階)でしたが、ページはすべて差し替えることに。別件の取材で被災地の近くを訪れていた記者、カメラマンからデータが届けられ、誌面を作成しました。非常事態に、いま週刊誌で伝えるべきことは何か。編集部全体で深く考えながら取り組んだことが印象に残っています。
まわりの人のことも、自分のことも“おもしろがらせること”が上手な人、でしょうか。雑誌を作るうえで、締切りという時間制約があるなかで、どれだけ読者のほうを向いて喜んでもらえる努力ができるかが大切と教わってきました。同時に、締切りが終わったらオフの日にきちんとリフレッシュできることも、いきいきと働き、元気な誌面を作るうえで大切だと感じます。私もそうありたいと思ってはいるのですが、なかなか…。
本や雑誌の形態や流通のあり方、また働き方は激変していることが予想されますが、情報をわかりやすく、また興味をひくように伝える作り手のニーズはゼロにはならないと考えます。女性自身編集部では編集長やデスクから「人に興味を持つこと」の大切さを繰り返し説かれてきました。働き方は大きく変わっても、その視点を持った仕事に携われていれば幸せなことだと思います。