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座談会参加者プロフィール

― 女性月刊誌、書籍、新書とそれぞれ編集部が違いますが、1日のスケジュールはどのようになっていますか?

  • 保育園への送りは僕で、だいたい8:30に保育園に預けて、9:30〜10:00に出社してます。
    お迎えは17:00過ぎで、奥さんが担当です。
  • 9:45に夫が送っています。
    夫婦ともに出版社勤務で朝が遅いので、登園時間はかなり遅めです。
    お迎えは基本18:30までなんですけど、週1で実母、週1~2で夫が行ってます。
    それでも仕事が終わらない場合は保育時間を延長して残業し、19:30〜20:30にお迎えにいってというかんじで、やりくりしています。
  • うちは完全に9:00〜17:00で、送りも迎えも私です。
    いまは9:30〜16:30の時短勤務にしてもらっているので、9:00に預けてそのまま会社に来て、お迎えにいって17:00。
    夜に仕事を入れるときは、主人に1か月くらい前から打診してその日はお迎えから行けるよう調整してもらうのが月に2,3回。両実家遠方で頼れないので、週1夜仕事、月1出張ができる環境を目指して夫婦でチャレンジ中です。

― 樋口さんはお子さんが2人ですが、2人めのときに育児休業を取られました。

  • 長男が生まれたときは、新書に異動した直後で、とにかく読まなくてはいけない本が多くて。
    いまでも、奥さんには『あの時はずっと本を読んでた』って言われてます(笑)。
    そのときの反省もあって、2人めのときはできるだけ協力しようと、育児休業を1カ月いただきました。
    それまで育休を取った男性社員は何人かいらっしゃったんですけど、編集では初めてだったかもしれません。
    編集長は子育てに理解のある人なので「ぜひ取ってくれ」とのことでしたが、担当している著者の方には半年くらい前から直接お会いして『おそらく1カ月ほど休むことになりそうです』と伝えていました。
    当たり前ですけど、総務部の皆さんもとても応援してくれて。
    育児休業を取った場合の給与のことや、自分の査定について相談したら、いろいろなパターンで比較表を作ってくださいました。
    特に給与については数字で具体的に見せてもらえたので本当にわかりやすかった。準備はしやすかったですね。

― 会社の制度はうまく活用できていますか?

  • 改めて諸規定を見直したら、いろんな制度があるんだなと(笑)。
    僕の場合は、妻出産時の休暇、育児休業、有給を組み合わせる形を取りました。
  • 産前・産後休暇、育児休業はもちろんしっかり取れるし、子どもが熱を出したときの休みは、「子の看護休暇」という制度があり、有給が減らないのがいいですね。
    ほかのところではあまり聞かないですよね。
  • 夏休みが6月から11月までの間に取れるっていう期間が長いのもいいですよね。本当は夏休みとしてちゃんと休まなきゃいけないんだろうけど、なにかあったときに補填がききやすいのがありがたいです。
  • 光文社は時短勤務の期間が長いのもいいですよね。
    まず3歳までは時短でも給与カットがゼロだし、小学校3年まで使えるので、選択肢が広がります。

― いま時短勤務をとられている羽城さんと光英さんは、実質はその時間に帰ることができていますか?

  • 私は、コアタイムを10:30〜17:30にしていて、お迎えが18:30です。朝がゆっくりなのはありがたいです。
    ただ仕事が終わらないときは、送りを夫にまかせて早めに出社するときもあります。編集職はフレックスなので、朝に子供を病院に連れていって遅く出社することもできるから、そういう意味では9時17時絶対固定という会社よりは融通がきいていいですね。
  • 奥さんの勤務体系がいわゆる9時5時で、やっぱり子どもが熱を出した時は大変です。
  • 残業ができないことがこんなに大変なんだということを、時短をとって初めてわかりました。
    いままで、仕事が立て込んでいるときは夜遅くまで原稿読みやゲラ作業をすることもあったけれど、何時までに終わらせなきゃいけないっていうのが、こんなに編集の仕事の負担になるんだなって。

― お子さんを持っている人の永遠のテーマかもしれませんが、限られた時間のなかで仕事を続けるために工夫していることはありますか?

  • 午前中は出社してる人が少ないから仕事がはかどるんですよ。
    だから、必然的に原稿を読むとか集中が必要なことは午前中にすませてます。
  • 必然的に昼ごはんの時間をきりつめてます。
    忙しい日は朝、スタバでカフェラテとサンドイッチを買って、昼はそのサンドイッチを食べながら仕事。
    あのデスクでぼんやりしてた時間はどこにいったんだろうと思いながら、それでも仕事が終わらない日常…。ただの悩み相談みたいですね(笑)。
  • 朝型になりました。
    僕、雑誌にいたときは夜型だったんですけど、子どもが生まれてからは朝型に変わらざるを得なくなりました。
    でも、そうなってから、朝からばーっと仕事をやって、1時間でやる仕事量は増えた気がします。
    今は、夜の会食も極力入れないようにしています。
  • 効率がよくなりましたよね。
  • 朝型になって人として健全というか、健康になった気がします(笑)。
  • 普通のことなんだけどね(笑)。

― 部署の雰囲気はどうですか?

  • うちは子どもがいる人もいない人もいるけれど、すごく理解のある部署です。
    編集長は、妊娠中から気づかってくれて、産休育休中も、私が仕事に戻りやすいようにと、担当作家さんの近況の連絡をくれたり。子どもを連れての打ち合わせもしてくれました。
    あと、すっごく感動したのが、子どもが熱を出して家で看病しなくてはいけないときに、印刷所の方が、ご迷惑でなければってわざわざ自宅までゲラを届けに来てくれたんですよ。そのまま近くでチェックが終わるのも待っていてくれて。
    本当、まわりの皆さんのおかげでなんとかなってます。
  • それは感激しちゃいますね。

― 新書は男性が多いですけど、子育てへの理解はどうですか?

  • 子育てをしている、していないにかかわらず、新書編集部は部下を含め皆理解してくれていると感じています。
    いまの局長は元週刊誌の編集長で、おそらくご自身の頃は育児休業を取ることなどあり得ない時代環境だったと思うんです。だから僕も恐る恐る相談したんですが(笑)、『それは絶対に制度を活かして取ったほうがいい。後進のためにもなる』と言ってくれたんです。
    力強く背中を押してもらった感じがしました。
「子供が生まれて教育に関する作品を手掛けることも多くなりました」と樋口さん

― 書籍はわりと個人で動いてますが、ファッション誌は、カメラマンさんがいてスタイリストさんがいて、というチームの仕事と言われます。例えば、子どもが急に熱を出したときはどうしてるんですか?

  • 運がいいだけなのかもしれませんが、今のところなんとかなってるんですよね。
    JJに関しては、スタッフの皆さんがすごく理解があるんです。
    コーディネートとか撮影とかに、止むに止まれず子どもを連れていったこと何度かありますが、そういうときも温かく受け入れてくれますし。

—そういう雰囲気がJJ編集部にはあるってことですね。

  • そう、それはとても助かってます。
    夫が出張中に早朝集合の撮影があった時など、私は子どもを送ってから向かうので先に始めておいてほしいとお願いすることがあるんですが、カメラマンさんもライターさんも、『もちろん!大変ですね、いいですよー』って。
    まぁそう言うしかないかもしれないですけど、その優しさに、こちらの気持ちはだいぶ救われています。

― まわりの協力体制がいかに大事かですね。

  • 育児だけではなく、これからは介護などの問題も出てくるので、以前より会社の雰囲気はかなり変わったと思います。
  • 実際に光文社にも共働き世帯が増えているし、そもそも他人のことに目を配る想像力のある人はたくさんいますし。
  • JJには、私含めてママが3人いて、お互いの事情をわかっているから、仕事を進めるうえでやりやすい部分はあります。
    いまの私たちの世代が、光文社で子どもを産んで育てる編集者の過渡期世代なんですよね。
    だから、この後入って来た人たちには、私たちという前例があるから今よりもっとよくなっているよって言いたいです。
  • たまたまこの3人は皆、3歳児の親なんですが、この3年間でも着実に働きやすい会社になっていると思うんです。
    もちろん僕が慣れたっていうのもあるかもしれないけど(笑)、今の学生さんたちが実際に子育てをやる頃には、もっともっと働きやすく、いい会社になっているんじゃないかな。
  • 若い世代でも子どもを産む人たちが増えている気がします。
    そういう雰囲気ができているんでしょうね。

― 親になって、仕事に対して新しい影響はありましたか?

  • 変な話、仕事だけが生きがいではないって思えるようになりました。
    出版社で働く人って、仕事がすべてって時期が絶対あって、そういうふうな働き方ってどうなのかなって自分でも思ってたんですよね。
    やっぱり、仕事と家庭、仕事とプライベートがあって、初めて人なんだなっていうか、人になったって感じがします。
  • 例えば、仕事で失敗とか、著者とトラブルがあったときとかでも、引きずらなくなったというか(笑)。
  • わかる!
  • 切り替えられるようになりましたよね。
    トラブルが有ると以前は家に帰っても、「あー、あれどうしようかな」とかいろいろ考えてたんですが、今は電車に乗って帰る間に、「まぁいいや」と。
  • 私、昔だったら、JJやれなかったかもしれません。
    いま、編集部の若い後輩たちや読者に対して、いい手本でありたいっていう気持ちでいるんですよね。
    JJのターゲットである25歳くらいの子って、30までに結婚したいとか仕事と結婚なんて両立できないとか、いつも不安がってると思うんです。
    そういう子たちに寄り添うような企画を考えたりとか、ママみたいな優しい気持ちで誌面を作るとは思いもよらなかったです。
  • 僕も同じような心境の変化がありました。
    新書だと、著者の方と編集者はマンツーマンの関係が基本なので、なかなか後輩と一緒に本を作りながら指導する機会がないんです。
    でもベッタリついて教えたい気持ちも出てきてしまって。後輩は迷惑かもしれないけど(笑)。

― 心強い先輩方ですね。どういう方に入ってきてほしいと思いますか?

  • 出版社って忙しいイメージがあると思うんです。
    それこそ私欲を削って、みたいな。でもそのイメージだけで諦めないでほしいです。
    例えば、早く結婚したいんだけど、そうするとキャリアが遅れるから…と考える人もいると思うんですけど、そういうのは全部抜きにして、仕事としてやりたいんだったら入ってきてほしい。
    男女問わず、そういうフォロー体制はどんどんできてきますから。
  • 編集って、年齢はあまり関係ない仕事だなって思うことが多いんですよ。
    若くても、極端な話、定年後でも、いい本は作れるんですよね。
  • 実際、子どもが小さい時期だけ編集から離れて、ある程度大きくなったら編集に戻ってきたって人もいますしね。
    この職種は、仕事をやろうと思えばガッツリできるし、控えめにしたかったら、それはそれでできる気がするんです。
    だから、いまは働く時期、いまは家庭と両立させる時期、ってメリハリをつけて、仕事一辺倒にならず、でも仕事も楽しんでいられるような、そういうバランス感覚がある人に入ってもらえたら、楽しく仕事ができるかなって思います。
  • しかも昔と違って今は、若い人たちにいろんな部署をまわってもらおうという考えになりつつありますよね。
    そういう意味ではいろんな部署を経験してもらって、自分にどの部署があってるのか、見つけるのもいいと思います。
  • 人と足並みを揃える必要はあまりない会社かも(笑)。何歳までにこれをしないと、こうならないとって思うことはいいんだけど、その固定観念で自分の可能性を狭めてしまうのは悲しい気がします。
    たとえば子どもが育てにくそうだからこの会社やめておこうじゃなくて、ポジティブな気持ちで、自分の道を決めていってほしいと思います。
  • 僕の場合は子育てをすることで、仕事面でもプラスになったのは間違いないんですけど、当たり前ですけどそれだけが人生じゃないですよね。
    声を大にしていいたいのは、仕事に没頭してもいいし、プライベートを大事にしてもいい。
    うちの会社は、自分の人生を邁進してる人がいっぱいいるので、参考例には事欠かないと思います。
  • 画一的ではないですよね。社内結婚当たり前、結婚しない人当たり前ってこともなく。
  • 多様性がありますね。300人弱の規模でこんなにいろんな人に会える会社っていうのもなかなかないですよ!