大給 近憲Chikanori Ogyu

取締役

1984年入社、CLASSY編集部配属。女性自身編集部を経て、2004年に『Mart』の創刊編集長に。食べるラー油やホームベーカリーなど数々のブームを巻き起こし、メディアにも多数出演。2019年より、メディアビジネス局を担当する。

 ご自身の「マスからはみだしている」ところは?

ニッチなもののなかから、万人に共通の価値観を見つけ出す

光文社の幹である女性ファッション誌とは一線を画した『Mart』を創刊したのも、既存のもので競争するより、ニッチなマーケットを探すのが好きという性分からです。そのころは知る人ぞ知る存在だったコストコやIKEAにスポットをあて、「ル・クルーゼは料理するより飾るもの」という企画をつくってみたり。ニッチ、あるいはスモールマスといわれるターゲットは、たんに変わっているのかというとそうではありません。じつは、ニッチな人たちの志向のなかに、みんなが気づいていない万人に共通した潜在的価値観が存在していることも。データだけを追うのではなく一人ひとりの声を聞き、熱量を感じ、まだ表に出ていない共通項をつかめる人が、いい意味でマスからはみでた人というのかもしれません。そして、そのへんに光文社のお家芸である「読者調査」の本質があったりします。「ファンベースマーケティング」なんていう言葉が昨今、注目されていますが、メディアビジネスの観点においても、雑誌媒体の可能性をここに見出しています。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

山口 周 著

データがもてはやされる時代ですが、それだけを追いかけていても、出てくる答えはみんな同じ。大切なのは直感や美意識で物事を俯瞰することだと著者は言います。読者調査でも、聞いた話を羅列するのではなく、どう自分の感性でまとめるか。戦術に終始するのではなく、まず自らの理念が大事だということを、本書は教えてくれます。